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店の名前は「ニジノ絵本屋」

作り手と読み手をつなぐ「虹の架け橋」

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Day 1

2011年1月、東京都目黒区の都立大学駅近くに小さな小さな絵本屋を開店した。

店の名前は「ニジノ絵本屋」

絵本の作り手と読み手をつなぐ「虹の架け橋」をイメージして付けた屋号である。

オープン当時から、絵本屋をはじめたきっかけを質問をされることが多い。

昔からの夢だったのですか?
ご家業を継がれたのですか?
満を持しての開業ですか?

しかし、ご縁とは不思議なもので、たまたま、偶然が重なって気付いたらあの場所で絵本屋を始めていた。
そんな、2坪に満たない絵本屋が今年で6年目を迎えている。


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Day 2

ニジノ絵本屋で取り扱いしている商品の大半は一般流通していない。

絵本を作りたいという情熱に突き動かされ、自主制作をしている作家さんがまわりにたまたま何人かいた。
そんな環境にいたからか、大手出版社さんから発売されているような人気絵本に負けないくらいの素敵な作品が世の中にはたくさん埋もれていることもなんとなく感じていた。

絵本屋を始めることが決まり、私がやりたいのは、ご縁あって巡り会えた作品たちをもっと大勢の人たちに届けることだと思ったのだ。

「インディーズ絵本」を世に広めるために何をしたらいいのか。

有名、無名に関わらず、作り手と読み手をつなぐ「虹の架け橋」はお店のコンセプトそのものである。

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Day 3

オープンから2ヶ月が過ぎた頃、ニジノ絵本屋は小さなお店から飛び出すことになった。

絵本の読み聞かせ事業をスタートさせたのだ。きっかけはオープン当初から店番として働いていたスタッフまえだの「やってみたい」からだった。

基本「やってみよう」精神で開店した絵本屋だ。

もちろん「やってみよう」で、はじめてみた。

当時よしもとクリエイティブエージェンシー所属の舞台女優だったまえだは、「絵本屋という舞台」で表現できることがないかをずっと考えていたそうだ。まずは地域の保育園やキッズルームに直接お願いし、月一回ボランティアから始めてみた。

当時のことを、彼女は振り返り、こう話す。

「初めはどうすれば子どもたちが注目してくれるのかわからなかった。今回はこのパターン、次はこっちのパターン。そうやってコミュニケーションをとりながら、読み手と絵本、絵本と聴き手を空間で繋ぐ感覚を研ぎ澄ましていき今のスタイルを作ってきた」と。

まえだはこの5年間、絵本屋、女優と並行して保育園や学童で働きながら子ども達と触れ合う時間を積極的に作ってきた。ピアニストやバンドマンとの即興ライブ、時にはタップダンスとの共演、その後も彼女の進化は止まらない。今の彼女はニジノ絵本屋キャラバンの座長、パフォーマーとして全国を飛び回り、絵本エンターテイメントの世界で生きていくことを決めている。


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Day 4

オープンから1年が経とうとしていた頃、ニジノ絵本屋は次なる一手を探していた。

「絵本屋」としてこのまま「仕入れたものを販売して利益を得る」というスタイルでは早い段階で立ち行かなくなるとうすうす感じていたのだ。

それならば「パン屋さんがパンを作って販売するように、絵本屋が絵本を作って販売するのはどうだろうか」と考えた。

そのタイミングでの、はらぺこめがねとの出会いは偶然のようで必然だったのかもしれない。都立大学駅を拠点とする「絵本を作ってみたい絵本屋」と「絵本を作ってみたいイラストレーター」が出会い、2012年夏に完成したのが「フルーツポンチ はらぺこ印①」である。

そして、この一冊がニジノ絵本屋のその後を大きく動かしていくことになった。

「フルーツポンチ」の制作後は、読み聞かせ事業で、完全オリジナルの絵本をひっさげて、各地でオリジナルの読み聞かせイベントを開催していくことが可能になった。

また、アパレル会社とのコラボレーションや自主制作したポストカードといったオリジナルグッズの展開、はらぺこめがねと百貨店の催事に出店、自主企画イベント「虹祭」の開催など、活動における多様性が日に日に増していった。

絵本制作を経験することで、作家さんの思いが、どの工程でどのように込められていくのかも感じ取ることができた。

これは、ニジノ絵本屋に携わっていただいているすべての作家さんと関係を築く上でもとても大切な経験となった。

そして、完成した絵本をどのような方法で広めていければみんなが喜んでくれるのかを考えた。

「絵本を制作するところまでが出版」
「店舗に陳列することが販売」
と分けて考えるのではなく、制作から販売、その後の展開方法も、絵本に関わる全てを、みんなと一緒に模索して進んでいく。

それはわたしたちみんなが「未来へ向けた矢印」なんだと考えるようになっていった。

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Day 5

2013年の夏に、新たな絵本制作のプロジェクトをスタートさせた。

依頼を頂いたのは当時88歳で元児童漫画家のみやさかえいいちさんだった。

「作家としてオリジナルの絵本を作ってみたい」という熱い熱い思いに、ニジノ絵本屋メンバー達の心も突き動かされた。

しかし、絵本屋は慈善活動で経営しているわけではない。もちろん小さな絵本屋には潤沢な資金があるわけでもなかった。

それでも、みやさかさんと一緒に絵本を作りたいと思った。
そこで、困った私たちが挑戦してみたのが「クラウドファンディング」だった。

CAMPFIREでの目標調達資金は50万円だった。紹介ページでは遜色なく、みやさかさんの熱い思いを伝えたかった。そのために、制作過程やみやさかさん本人のインタビュー動画をストーリー立てて掲載した。その思いは82人の方々に伝わり、目標金額を達成することができた。そして、「これでみやさかさんの夢を叶えることができる」という気持ちだけでなく、出資者からのコメントや思いを受け取り「出資してくださった方が喜んでくれる絵本を完成させなければ」という責任感も強くなった。

繰り返しになるが、絵本屋は慈善事業で行っているわけではない。ビジネスとして成り立たなければ、絵本屋を続けていくことはできない。私はこれからも、もっと多くの作り手と読み手をつなぐ「虹の架け橋」をかけ続けたい。

このプロジェクトは、ビジネスというものを深く考えるきっかけにもなった。

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Day 6

ニジノ絵本屋は2坪の店でしかないが、店内にぎゅうぎゅう詰めにしても入りきれないほどの多くの人たちが、5年の歳月を経て少しずつ育んでくださった本屋である。

感謝いっぱいである。

その気持ちを伝えたいと、2016年3月に5周年記念パーティーを開いた。
パーティーは終始、穏やかで幸せな空気だった。その光景を見て、私はひとつの答えが出た気がした。

なぜ絵本屋を始めたのですか?という問いに対してである。

今まで携わってくれた作家さん、お客さま、そしてスタッフたち総勢50名ほどが一堂に介したこのイベントであったが、参加者それぞれは初めましての人たちが多い会場だった。

にもかかわらず、作家さんの絵本が1作品ずつ読み聞かせ&ライブパフォーマンスされていくうちに、あたかも全員が昔からの知り合いだったかのような一体感が生まれた。私が直接互いを紹介することなく、参加者同士の距離が縮まっていき、次から次へと繋がっていく光景を目の当たりにした。絵本には「人と人を繋げる不思議な力」があるんだろうなって漠然と感じていたことが確信に変わった瞬間だった。

私は無意識に絵本のもつ不思議な力に可能性を感じていたのだと思う。
絵本を通して作り手の想いを架け橋に乗せて読み手へ受け渡していくことが結果として、社会的にもヒトとモノとコトを繋いでいくコミュニケーションツールになるという可能性を。

ご縁とは不思議なもので、たまたま、偶然が重なって気付いたらあの場所で絵本屋を始めていた。

そんな、2坪に満たない絵本屋が今年で6年目を迎えている。

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Day 7

2016年初夏、東京都目黒区の都立大学駅近くに小さな小さな絵本出版社を設立してみた。

その名も「ニジノ絵本屋」

絵本屋も出版社も名前は変わらない。

出版、販売、読み聞かせ、イベント事業すべてをひっくるめて「ニジノ絵本屋」である。

これからも、まだ想像もしていない新しいことに挑戦しているに違いない。ニジノ絵本屋ファミリー達と日本を飛び出しているかもしれないし、宇宙に飛び出しているかもしれない。冗談半分だが、もう半分は本気だから自分が怖い。

これまでの過程が7daysだとすれば、日本を飛び出すにはあと1,2weeks必要かもしれない。宇宙に飛び出すには1month必要かも。どちらにせよ、ニジノ絵本屋はこれからもずっと続いていく。

—–

7つの画像デザイン
柚(ゆず)イラストレーター/デザイナー:http://socksowl.com

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Day 8

2016年リニューアルされたニジノ絵本屋名刺のデザインはちょっと気が効いている。
表は、ニジノ絵本屋のテーマカラーである黄色と決まっているが、裏は各スタッフが7色の「ニジ色」から好みの色を選ぶことが出来る。

light blueを選ばせて頂いた私の役割は、「営業・コーディネーター」。
とはいえ、決まった出社場所や出社時間もなく、好きな時に好きなよう自由にやらせて頂いている。(そもそも私は、ニジノ絵本屋がある東京ではなく、京都に住んでいる)

「新規取引先の開拓」という営業らしいことも少しだけやらせて頂いているが、私に求められる最も大きな役割は、ニジノ絵本屋に「化学変化」を起こすことだ(と勝手に認識している)。
すなわち、オーナーである石井彩さんに合いそうな面白い人を紹介し、新しい企画やイベントがうまれる「きっかけ」を提供している。

そもそも、私自身がベンチャーのアパレル企業にいた時、石井彩さんと出会い、共に仕事をしたのが全ての始まりである。
はらぺこめがねさんをはじめ、数人のイラストレーターさんが描いて下さったデザインテンプレートの中に、お子様が自由に描いた絵を組み合わせ、オリジナルデザインTシャツを作成出来るというイベントだった。
http://ur0.work/xcSY
自分で言うのもなんだが、2012年12月当時としては画期的だったと思う。
この企画はいつか復活させたら面白いなぁと思っているので、復活希望の方はどしどしメッセージ・Facebookやインスタへのコメント・ツィート・葉書等をお待ちしております。

さて、このwebメディアを使って、私はニジノ絵本屋さんの8days「宇宙進出」のお手伝いをしたいと思っている。
ニジノ絵本屋の歴史は、石井彩さんを中心とした関わる人々の「人間ドラマ」である。
とても面白いストーリーに満ち溢れているので、この連載を通じてじっくりと皆さんにご紹介したい。

「ファン」になって頂いた皆さんには、是非
店に足を運んで頂きたい。
nijinoehonya.com/shop
イベントに足を運んで頂きたい。
nijinoehonya.com/event
通販ページで本を買って頂きたい。
nijinoehonya.shop-pro.jp/
「宇宙進出」への何よりの支援である。

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